キミの一番になりたい

 
私たちの握っている手に向けられているなんて気づかず、颯に走り寄った。


その瞬間、圭太と繋いでいた手も離される。





「颯、こんな所でどうしたの?」



偶然会えたのが嬉しくてつい声も弾む。





「別に」


「……えぇっと、休日にすごい偶然だよねー」


「…………」



か、会話が続かない。


今日の颯は何だか変だ。




いつもより無口で昔のよう。


むしろ機嫌が悪い?



近づいてから私たちの目は合うことはなかった。







「俺、もう行くから」


「あっ、でも……」




ーーパシンッ


かわいた音が空を切る。



もう少し話していたくて引き止めようと手を伸ばしたら、颯にはらわれた。




なんで?わけがわからない。