圭太ってホントに優しいなぁ。
昔からずっと優しかったけど、今は紳士って感じ?
でも、彼女の話とか全然聞かないんだよなぁ。
告白されている所なんて何回も見たし、今日だってたくさんの子が応援に来てたみたいなのに。
「ねぇ、聞いてもいい?」
私は圭太の横顔を見ながら顔色を伺うように尋ねた。
「ん?何?」
圭太は周りに注意を払いながら聞き返す。
……聞いてみてもいいよ、ね?
「圭太ってモテるのに何で彼女作らないの?」
「……は?」
急に立ち止まって大きく見開いた目をこちらに向ける圭太。
すると後ろの人に舌打ちされてしまった。
「ちょっ、急に止まらないで!とにかく歩こう?」
「えっ、あぁ」
慌てた私に促されて圭太もハッとして歩きだす。



