その時、理乃のスマホが鳴った。
「もしもし」
私にごめんと無言で手を合わせて隅の方へ移動する。
その間ぼーっとしながら電話が終わるのを私は空を仰いで待っていた。
颯は今頃何してるんだろうな。
あれから話す機会がなくてメールもできないでいる。
今日の理乃を見て思ったけど、颯だってモテるんだし人のこと心配してる場合じゃないよね。
無口であんまり人といないから近寄りがたくなってるだけで、颯がその気になれば女子がいっぱい側にいるはず。
私だって少し仲良くなっただけのクラスメイト。
告白はしたけど、颯にとっては私はそれ以上でもそれ以下でもない。
だからスタートラインは他の子とかわらない……いやむしろ振られている時点で出遅れている。
なんとか策を練って頑張らないと。
はぁ~
先のことを考えるとため息が洩れる。
颯に諦めない宣言したくせに、自分の腑甲斐なさから気持ちはブルーだった。



