「圭太ッ‼」



私は思わず立ち上がった。


周囲も悲鳴と騒めきが起こる。



仲間が圭太に駆け寄り、担架も運ばれてきた。

試合は一時中断となる。





「圭太クン、大丈夫かな」



理乃も心配そうに様子を見つめる。



「きっと大丈夫だよ」



私は理乃を元気づけるように肩に手を置いて言った。


いや、もしかしたら自分に言い聞かせたのかもしれない。





圭太は担架に乗せられ、一旦コートから出た。


監督とマネージャーが走りより、痛がっている右足を少し動かしたりしている。



遠くからでも苦痛に歪む圭太の顔がはっきり見えた。


マネージャーに冷却スプレーをかけてもらい、足を動かして平気そうか確かめている。




圭太は監督と言葉を交わした後、立ち上がって少し足を引きずるようにして心配しながら待っていた仲間の元へ戻ってきた。