理乃も大変だなあ。
こんなにモテる人を好きになったんだから。
私たちの不安をよそに試合は白熱していた。
敵がパスをしながらうちのゴールに向かって蹴ってくる。
こっちも守ろうとディフェンスするけれど、上手くかわされ敵がシュートしようとする。
ま、まずい!
私はとっさに両手で顔を覆った。
が、間一髪の所で防いだようだ。
「「よかった～」」
理乃と二人で安堵してしまった。
でも、気を抜いてはいられない。
今度はうちのチームが敵ゴールに向かってボールを蹴っていく。
確かうちの学校は速攻が得意だったはず。
素早い動きで果敢に攻めている。
そしてパスが圭太に渡り蹴り出すけど、敵も止めようと突っ込んでくる。
それをかわしながら走っていると、ある一人の敵のスライディングで足を引っ掛けられたようで、圭太の体が勢いよくフィールドに転がった。
あっという間の出来事だった。
