キミの一番になりたい

 

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よく晴れた日曜日。


目の前には緑の芝生、青い空。

一個のボールを追いかける人たち。


それを応援している観客。





そして……



「おーいっ!莉子ぉーっ!」



ベンチに座っている私に向かって手を振りながら走ってくる少年。



「圭太。大声で呼ばないでよ」



目の前まで来ると私は小声で怒った。



だってこんな人前で恥ずかしいじゃん。

周囲の視線がチクチクと刺さるよ。




「悪い。来てくれたのが嬉しくて、つい」



そう言って圭太は照れて頭をかく。


そんな台詞さらりと言わないでよ。




今のは圭太のこと好きな子じゃなくてもきっとトキメク言葉。


そりゃモテるわけだ。