キミの一番になりたい

 
私の宣言に目を見開く颯。



「莉子は強いな」


「そうかな?」



へへっと照れて颯を見ると笑顔が戻っていた。


やっぱり颯は笑ってる方が似合う。




「あのさ……、私を振ったからって気まずくて避けたりしないでね?」


「当たり前だろ」


「よかったぁ」



その言葉にホッとした。


私が告白したことで話せなくなるとかは嫌だもん。


今まで通りに接してほしい。



でも、さすがにちょっと辛くなってきたかも……




「私もう少しここにいるし、颯は先に戻ってていいよ」


「……あぁ。じゃあ先に行ってる」




私は手を振って見送り、颯は軽く微笑んでドアを開けて行ってしまった。



閉会式も終わったのか、外は先生の指示する声とざわざわ移動してる音が聞こえる。


そして保健室には私一人。





「……ック、だい、じょうぶ……だいっ……」



今泣いたらもう泣かないから。


元気になるから、今だけ。

今だけは……




廊下にまで響いていたかもしれないけど、校舎には誰もいないことを祈って。


私は涙が枯れるまで泣き続けた。