残念。
紙ヒコーキの子に会えるかと思ったのに。
諦めてさっさと部活に戻ろうと踵を返した時だった。
あ、れ?
壁の向こうに足が見える。
もしかしてあの子が?
私は見つからないようにそっとその足に近づいていった。
うわぁ~。男子だぁ。
目の前まで行くとそこには座って眠っている男子生徒がいた。
壁に寄り掛かって頭を垂らしているため顔が見えない。
起こして顔を見たいな。
でも、こんなにぐっすり眠っているのに起こすのも悪いし。
私は彼の横に座って起きるのを待つことにした。
よいしょっと、ってなんだかオバサンみたい。
そう心の中でツッコミをしつつ座ると、
「うわぁ。きれーい‼」
見渡せば町並みがよく見え、遠くの海もオレンジ色に光って見える。
そして何より夕焼け空が絶妙な色合いだった。



