周りでは同じように喜ぶ白組と悔しがる青組。
一気にグランドはみんなの歓喜でいっぱいになった。
「本当によかったぁ」
「ちょ、ちょっと!?」
私は気が抜けて希穂に体重をかけたまま座り込んでしまう。
それに対応できなかったのか希穂はおろおろするばかり。
ーーガシッ
「俺が連れていくから」
「颯……」
「あ、いいの?お願いね」
顔を上げると颯が抱えてくれていて、希穂も私を任せて他の子と喜びを分かち合いに行ってしまった。
「立てるか?」
「うん」
颯に両肩をがっちりと支えられて立ち上がる。
思い出した痛みを堪えて皆を眺めると、改めて勝ったんだということを再認識した。
盛り上がる周りとは対照的に、私たちはゆっくりと保健室の方へ向かった。



