運動場に戻ってくるとリレーのメンバーが整列していた。
間に合ったみたい。
希穂が私に向かって手招きしている。
「いないから心配しちゃったよ」
「ごめん、ごめん」
『プログラムNo.26色対抗リレーです』
音楽とともに入場する選手たち。
最後の種目とあってか周囲の応援もすごい。
「よーい」
バンッ!っていう音と共に一斉に第一走者がスタートした。
私も出番が来るまで応援しながら待機する。
トンっと肩を叩かれたので振り向くと颯だった。
え、何で……
かっ、顔近いよ。
あまり人に聞かれたくないのか耳に口元が近づく。
それだけで心臓が爆発しそうだった。