「うん。しょうがないよね」
そう返して右足を見ると、やっぱり痛い。
「ごめん、ちょっと私トイレ行ってくるね」
「えっ?もうすぐリレーだよ!?」
慌てて私を引き止めようとする。
「すぐ戻ってくるから!」
怪我に気づかれないよう痛みに堪えながら、私は理乃の傍を離れ校舎の方へ向かった。
ここなら誰も来ないよね。
階段裏に座って周りの様子を伺い、私だけなのを確認して右足首を確認する。
テーピングが甘かったのかも。
私は巻いてあったテーピングを一旦剥がして新しく巻き直した。
後はリレーだけだからなんとしても持ち堪えてほしい。
よいしょっと立ち上がってなるべく負担をかけずに私は運動場に向かった。



