「今日は優勝することだけ考えよ?」
「うん。そうだね!」
私の言葉に理乃は元気よく返事をしてくれた。
複雑な気持ちを抱えたまま、その処理の仕方も見つけられないまま騎馬戦が始まる中、私は颯をずっと見つめていた……
――――――――――
――――――
体育祭も終盤となりどの組も盛り上がりは最高潮。
今の所1位青組、2位白組、3位黄組、4位赤組の順である。
1位との差は一桁。
これなら逆転できる!
一人闘志を燃やしていると、
「莉子ぉー。次クラス対抗リレーだよ」
理乃が入場門から大きく手招きしている。
「今行くっ!」
私は理乃に手を振り返して急いで向かった。



