体育祭当日、

何事もなかったかのように次々と種目は進んでいった。


席は入場門の右が赤・青、左が黄・白の順でまとまっている。



私のクラスは白組なので左端に私と理乃は座っていた。



リレー以外の種目は玉入れや借り物競争だったので、特に足の負担にはならずにすんだ。


テーピングをしっかり巻いたのでたぶんリレーも大丈夫だろう。





『ザザッ、次は……』


スピーカーからはアナウンス係の声が響く。





「あれからどう?永瀬ファンとは」


「へ?あぁ、特には」



周りに聞こえないようにコソッと理乃が話しかけてきた。



あれ以来あの子たちとは特にこれといった接触はない。


唯一の救いは組が違ったことかな。


同じチームだったら絶対頑張れそうにないもの。




「ならいいけど、また何かあったら言うんだよ?」


「あ、ありがとう」



ガシッと理乃は私の肩を掴んで揺さ振る。


揺さ振られながらもなんとか私はお礼を言った。



理乃にもたくさん心配かけちゃったな。





『騎馬戦に出場する選手は入場門に集まって下さい』



その時スピーカーからアナウンスが入った。