その夜、明日の準備をしていると颯からメールが来ていた。


颯からなんて珍しい。


なんだろう?と思って開いてみると、


【今日、練習来なかったけど何かあった?】




そうだ。颯に何も言っていない。


心配かけちゃったかな?


急いで返信をする。


【ごめん。ちょっと風邪気味で、足引っ張りたくないから練習休んだの】


【早く治せよ】


【うん。心配してくれてありがとう】


【気にすんな。リレーの練習日は後、前日のみだからそれまでゆっくり休め】


【そうなんだ。教えてくれてありがと!】


【おう。莉子の走り期待してる】


【頑張るね!じゃ、また明日!】




期待してるから、か。


送信完了を確認した私はそっとスマホを置いた。




ますます怪我のことも言えない。


チームの足手まといにもなりたくない。



私は不安な面持ちで右足を擦った。