キミの一番になりたい

 
私の素直な返事を聞くと顧問は戻っていった。



しょうがない。やるか!


私は更衣室に向かって走りだす。


早く着替えてまずは……顧問にボール渡しかな?


なんて着替えながら自分がやるべきことを考える。


準備を済ませ、私は理乃たちの所へ向かった。













「コラーッ!何たるんでるんだ‼」


「はいっ!」


「もっと狙って打て!」


「はいっ‼」




うちの学校は『文武両道』が校風になっていて、部活動がけっこう盛んだ。


もちろんバレーボール部も全国大会に出るなどの成績を残していた。

……だから顧問は厳しい。


部活中の雰囲気といったら緊張感に溢れている。


まあ、部員はわかってて入部してるから退部者は少ないけど。

でもその代わりレギュラー争いが激しかった。



理乃はと言うとキャプテン兼セッター。


気配り上手で周りがよく見えているから部員一人一人の様子もわかっていて、キャプテンもセッターも理乃には合っていた。