「何言ってもダメだからな。帰りたいなら早く書け」
「ケチーッ!」
「なんとでも言え」
もう打つ手が見つからず、仕方がなくシャーペンを握って私は出来る限り早く書いた。
「よし!帰っていいぞ。以後遅刻・サボりは気をつけるように」
「はーい。失礼します」
五枚に及ぶ反省文を急いで書き、確認してもらってやっと出たオッケーサイン。
煙草をくわえたまま私に向かって手をひらひらさせる先生に一礼して、生徒指導室を飛び出した。
本当にヤバい!早く行かないと‼
急いで教室へ戻り荷物を掴んで屋上へと全速力。
……で、今に至る。
はあはあっ、
すれ違う人すれ違う人に、珍しい物でも見るかのような驚きの目で見つめられる。
でも今だけは気にする余裕の欠片もなかった。