キミの一番になりたい

 
「うん‼」


静かな廊下に足音を響かせながらそのまま二人で体育館に向かって突っ走った。










「コラーッ‼何遅刻してるんだ!」


体育館に入る直前に顧問の怒鳴り声。


しまった。アウトだったかぁ~。



ステージの方から顧問が歩いてくる。


私と理乃はうつむくしかない。



「森崎、また遅刻か?」


「すみません」


自分が悪いから言い訳のしよもない。



「あのっ、莉子は……」

「嶋谷は練習に戻れ」


「……はい」



庇おうとしてくれたみたいだけど顧問の迫力に圧倒され、理乃はおとなしく練習している他の仲間に加わった。



「森崎、今日は雑用してろ。いいな」


「はい」