「ちょっと、だい」

大輔、と呼ぼうとして遮られた。
いや、唇をふさがれていた。
大輔の顔が、今までで一番近くにある。
時間が、止まった。
何が起きているのかわからない。
3秒くらいだろうか。
そのくらいして、ゆっくりと唇を離された。

「好きだ」

私の目を見つめて、一言。
大輔の瞳は、揺れていた。

「俺は、はるかの事が好きだ」

もう一度、好きという単語を繰り返して、大輔は目をそらした。

「……え」

「もう一回聞くけど、好きなやつ、いる?」

あっけにとられて、私は大輔を見つめた。