今夜は、留里と二人で過ごす約束をしていた。 俺の部屋で、二人で料理を作って…。 「…作り過ぎちゃった。」 留里が、ペロっと舌をだした。 テーブルには、俺の好物がならぶ。 豪華な食卓だけど…。 最後の晩餐みたいだな。 「いただきま~す。」 しばらくは、無言で、食器の音だけが響いていた。 「うまいな……。」 何気なく発した俺の一言に、留里は箸を置いた。 「…神谷さぁんっ…。うぅっ…。あたしっ、イギリス行きたくなくなったよぉ~っ。」 突然、留里が激しく泣き出した。