そして、俺たちは卒業式に臨む。 俺が担任するのは、一年生だから、後ろのほうの席だ。 幸い背が高いので、生徒は見渡せる。 でも、留里は小さいから、頭しか見えない。 制服姿は見納めだと思うと、少し残念だ。 長い校長の挨拶はどうでもいいけど。 俺たちは付き合いをずっと秘密にしてきた。 留里の親友のちほは別だけど…。 あいつは小学生のころから俺を知ってるから。 ちほも、俺が先生だとは何となく抵抗があったみたいだ。 いよいよ…卒業証書が授与される。 担任が順番に名前を読んでいく…。