「・・・おはよう。いよいよ卒業式だな。」



「うんっ。あ、神谷さん?夜会えるかなぁ?お母さんが、お祝いしてくれるって・・・。」


「あぁ、少し遅くなるかもしれないけど、打ち上げ終わったら行くよ。」


留里の両親は、俺達のことをずっと見守ってきてくれたんだ。


本当に感謝してる。

きちんと挨拶に行かなきゃな・・・。


「じゃぁ、またあとでね。」


「あっ、留里?・・・・・・卒業おめでとう。」


「うん、ありがとうっ」


嬉しそうに笑う留里の顔が頭の中に浮かんだ。


俺達の付き合いを隠すために、留里にはたくさん辛い思いをさせた。


けれど、留里は一度も辛いとは口にしなかった。


俺を責めることもなかった。


そんな留里がたまらなく愛おしかった。



これからも、そんなあからさまにはできないけれども・・・。


でも、立場は変わるんだ。


俺は、これから、留里を「俺の恋人」って、自慢できるんだ。