留里が、まだ早いって力一杯断った。
ちょっとショック。
「そうだよね、まだ早いよ。留里も色々やりたいことあるだろうし。そんなに急がなくてもいいだろ?」
お父さんが、さっきの様子とは違って嬉しそうに言う。
「あら、そうかしら?」
残念そうな、美玖さんと………
「……そうですね。」
残念そうな、…俺だ。
まぁ…確かに……留里は四月からは本格的に美玖さんの店を手伝うんだ。
良い大学へ行くことも余裕だったけど、自分のやりたいことを選んだ。
せっかくスタートラインにたったんだから、しばらくは仕事に集中させてやりたい。

