魔女の森




◇◇◇



どれくらい歩いたのか。
俺の感覚ではもう一時間近くは歩いてる。


それでも辺りは木 木 木•••


そればっかりで特に何の変化も見られない。




当たり前か、森だもんな。
急に木が無くなったりでもしたら逆に不気味だよ。




俺はおもむろに空を見上げた。


見えたのは高くそびえ立つ木々とその隙間から見える茜色の空。


日が沈みかけてるんだ。



ヤバい。


俺は心の中で叫んでいた。




勿論覚悟はしていたさ。 
この森で夜を迎えることを。
たった数時間やそこらで調査が終わるはずないからな。

でも、いざ一夜をこの森で過ごすとなると恐怖を感じずにはいられない。



ここは迷いの森。
ここから無事帰還した奴は一人もいない。
いつ、どこで、何が起こるかわからない。

そんな森の中で歩く足を止めるのは恐怖以外の何物でもなかった。




「暗くなってきた。
この辺で野宿する?」



そんな俺の心中の奮闘を知らないリアさんは、ギルさんと俺にそう提案する。