戦え!青春!

「なーんかかわいいな」
突然発した赤羽の一言。
その一言であたしはピタッと固まって、嫌な思い出が浮かんできた。
あたしは両親にしかかわいいと言われたことがない。
小さいとき素直になれず、余計なことばっかり口に出してしまう。
その癖は治った方だと思うんだけど、まだ残ってる。
「な訳ないじゃない。ただいいたいだけでしょ?その気にさせたいだけでしょ?」
そう、男子は大抵そういう奴だと思う。
「男ってみんなそうだから。チャラいし、女泣かせまくってるし」
「は…?」
赤羽、突然こんなこと言うあたしの意味がわからないだろう。
まぁ、所詮赤羽もそいつらの1人。
「意味わかんなくてごめんね?んじゃ帰るから。」
「え、ちょ…」
なにが起きたのかわからない赤羽を無視して、カバンを持って席を外した。
「あ、アイス付き合ってくれてありがとうね。お金は返すよ」
言いたいことだけ言って、テーブルの上にお金を置いてポカーンとしてる赤羽をほっといて店を後にした。


家に着いた途端ベットに転んだ。
…あぁ…やっちまったよ。
さすがにこれはひどすぎ。
赤羽なにもしてないのにな。
転校初日からこんなことってアリ?
あたし本当にひどい。
かわいいって言われただけでキレるとかさ。
あたし意味わかんねっ…
「はぁ…明日謝ろう…。さすがにこれはね…」


ガヤガヤガヤガヤ
あたしは1人校門の前で赤羽を待ち伏せ。
もちろん昨日のこと謝るために…。
………
ー15分経過ー
「まだかなー?寝坊なわけないよね?」
もう少し待ってみるか。

ー30分経過ー
リーンコーンカーンコーン
「……おっせぇ。」
チャイム鳴ってない?!!!
マジヤバ遅刻じゃん!
とにかくあたしが悪いんだし、もうちょい待ってみるか!!!
……。
来なくね?
寝坊とか?
はぁ…ひとつため息を漏らし、教室へと向かおうと思ったが、あいにく様遅刻なので、屋上に行くことにした。
ガチャッ
ふぁぁぁぁぁ…きんもちぃぃ!!
青い空の下、あたしはゴロンと横になってスヤスヤ眠った、
横に誰かいるとは知らずに……。