ゴンっ!!
勢いつきすぎて、机にデコをぶつけてお辞儀してしまった…
クラス全員の視線があたしに向けられてる…
「ふっ…ははははははは!!冬野さん、そんな緊張しなくてもいいからさー!!」
「あ、ごめんなさいっ…恥」
まず、転校生じゃなくてあたしが緊張してどうすんだろう。
「あ、あのさ、俺に学校案内とかいらないから。大体覚えてるし。」
え、すごい…。
記憶力ありすぎじゃない?
「え、大丈夫なんですか?」
「うん。昨日オールしてまで学校案内のプリント暗記したしさ!おかげさまでこのクマよ(笑)」
あ、オールして覚えたのね
よーく見ればクマがすごいあるし
なんでそれをオールしてまで頑張るんだろう?
ほんと不思議な人だな。赤羽って

ーリーンコーンカーンコーンー
《下校時間です下校時間です生徒は速やかに帰りましょう》
はぁ。今日は転校生のことでどっとちかれたなぁ。
あの後、学校案内したし。あのプリント古いやつで教室が全然違う。
そんで赤羽が迷子になりかけて…
あげくあたしも巻き込まれて…(実は方向音痴)
「はぁ…アイスでも買って帰ろうかなー」
疲れたら、美味しいものが一番だよねぇ❤︎
マックのアイス買って帰ろ!
スタスタ歩いてると…
「え、なに?アイス買って帰るの?俺も行くー!」
………なぜこのタイミングで現れる…?
ってか…あんたのせいで疲れてんだけど!!!!!
「あー、やっぱ、やめにするー、疲れたしまっすぐ帰るよ。(嘘)」
もうめんどくさくて、追っ払いたくて嘘ついた。
「なーんだ!今日は色々お世話になったからおごってやろうとしたんだけどなぁ…」
ん?なんだって?おごってくれるって?
「やっぱいく!!!!!」(単純)
我ながらひどい奴だ(笑)
「おぉー?いかないんじゃなかったっけー?(笑)」
「行くったら行くし!!!」
「ふっ…そうこなくちゃな!俺とのデートを楽しもうぜ」
なんか負けた気がする…。
それに…。
明らかにあたしをおもちゃにしてない?
まぁいっか!アイス〜♪おごりー♪
「うーわー!!!!こんなとこあったんだ!!!」
なんと目の前にはアイス屋さん。
建物がすごくファンタジーで、おもちゃの家みたいにできてる。
おまけに中は、お菓子の国か!l?って聞きたいほどお菓子の山に、壁には剥製のお菓子がたくさん。
アイスなんか…見た目がすごく可愛くてっ♡
味の種類なんて、31(サーティワン)を超えてる!!!
「どれにしょーかなー!♡あーこれもいいなぁ!いや、こっちも捨てがたい!」
思いっきり赤羽を忘れてるあたし。
「これがいいかも!!!あっ!これも、、、」
視線が赤羽の方に向いた時
はっ!!!!!!!
あ…赤羽いたこと忘れてた…(笑)
「赤羽ー!!なに食う?」
とにかく…赤羽をっ…。
「あー俺は…」
赤羽の隣に視線を移したとき…
あ、なにこれっ!!!ピンクに黄色にオレンジのマーブルカラーのアイス♡味はパインアップル♡
「あ、これよくない?!これも美味しそ〜♡」
赤羽の話など聞いちゃいねー(笑)
選ぶこと30分…
「そ…そろそろいいか?」
「うん!これとこれとこれとこれが良かったけど、これにした!」
そしてあたしたちは、無事アイスを買った。
赤羽は、見た目と違って苺みるくのアイスとは…なんかうける(笑)
あたしは、ミントとストロベリーとチョコレートがマーブルになってるアイス♡
はぁ…美味しい♡
食べ終わったあたしは、まだ食べ終わってない赤羽のアイスをじーっと見つめてる。
「………」
「な…なに?」
じっと見てたあたしに気づいた赤羽はそう言った。
「え、いや、みてない!みてない!食べたくもないし!」
なんか食べたいって言ってるようなもんじゃない?
「ふーん。まぁいいけどさ、とりあえずあーんして」
え、あーん?
とにかくあたしは口を開けた。
「はいっ!」
むぐっ…
差し出されたスプーンを口に押し付けられた。
「あ、まじおいしい!!!!!!これ選べば良かったー!!」
苺みるくとチョコレートのアイス。
なんか合う。
………ちょっと待ってください。
これ間接キスになりますよね?
そうですよね?
と考え出したらぼんっと赤くなった。
「って顔赤いけど大丈夫?あ、俺との間接キス意識しちゃった?」
「っ…!!んなわけっ!!!」
その一言でさらに赤くなったのがわかる。
今まさに、アンパンマンの如くだ。