「待てよ!」
そう聞こえたあたしは後ろを振り返った。
振り返った先には、ただ風に吹かれてるゴミ袋が飛んでるだけだった…。
ふよふよと広い青い空に飛び立っていった。
ねぇ、君は今どうしてるの?笑うたびにチラッと見える八重歯が輝き、いつもあたしを幸せにしてくれる笑顔が今日も見えないよ……。

2年前…
「座れ座れー、転校生を紹介するぞ」
え、転校生?
ふぅん、どんな人だろう。
ガラッとドアが開いて教室に入ってきた転校生
うわぁ…
すっごいイケメン。
鼻スッとしてて、髪はふわふわな茶髪。
でも一番目に入ったのは、バリバリのピアス。
「んじゃぁ、自己紹介して」
転校生はコクリと頷き、スゥゥゥと深呼吸をした。
「俺の名前は、赤羽葵!海星学校から転校してきた!趣味は寝ることかな?とりまよろしく!」
その一言により、教室はツッコミの渦になった。
「おま…寝ることが趣味なのかよ!!(笑)」
「赤羽くんっておもしろーい」
などなど言ってるクラスメート。
赤羽はと、「人生寝ないと死んじゃうだろ」
なんて意味わかんないこと言ってるし…汗
「んじゃぁー赤羽は、冬野の隣の席な」
「冬野ー赤羽を頼んだぞ!」
先生があたしにそう言った。
それに対してあたしは適当に
「へいへーい」と答えた。
って…えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
あたしの隣かよ!
隣ってめんどくせぇぇぇ!
だってさ、学校案内とかあんじゃん…まじ勘弁っ!!!
と考えてるとこに…
隣に転校生が座ってきた。
「冬野さん?よろしくな!」
近くで見るとすごいピアスの数に、綺麗な肌。
ニキビとかもなくて…
「よろしくお願いします」