寝室に連れて行くと、ネクタイを外し、上着を脱がせる。

「着替えはありますか?」
「…そこのクローゼットの中」

ぼんやりする意識の中、伝えた琉偉。雪は言われた通り、クローゼットの中から、着替えを適当に出し、着替えるのを手伝う。

そして、ベッドに寝かせる。

「…熱いですか?それとも寒いですか?」
「…うーん…寒い」

琉偉の答えに、琉偉が温まるよう多めに布団を被せる。

まだまだ熱が上がっているんだろう。上がりきったら、冷やしてあげなくては。

そんな事を思いながら、雪はせっせと琉偉の看病をした。

その間、何度も義人から連絡が来たが、雪はそれには出なかった。

琉偉が眠る傍で、雪はウトウトとしていると、琉偉の小さな唸り声が聞こえ、目を開けた。

「…熱いですか?」
「…う、ん、喉乾いた」

意識朦朧とする琉偉の声を聴き流さないよう耳を傾ける。言い終わると、直ぐに冷蔵庫の中から、元々あったスポーツドリンクを出してきて飲ませてあげ、今度はキッチンに行き、ボウルに氷水を入れると、タオルを入れ、固く絞り、琉偉の額に当てた。

「…気持ちいい」
「…あさ、着替えましょうね」

熱くなったタオルを何度か変えたが、雪も一週間働き詰めだったのだ。いつの間にか眠ってしまった。

…無意識に、2人の手は繋がれていた。