家に帰ってからの雪は、ベッドに潜り込んで、荒波のたった心をなんとか落ち着かせようとしていた。
琉偉が黒だとわかった今、どうすればいい?離れるなら、会社を辞めなければならない。
…でも、そう簡単に会社を辞めるわけにはいかない。一社会人として、そんな薄情な事は出来ない。
第一、雪は今の仕事が好きだし、辞めたいと思った事もない。
「…どうしよう」
一人つぶやいてみても、答えが出るはずもない。
そんな時、携帯が鳴る。着信相手は、義人だった。
「…どうしたんですか?」
『うん、雪の声が聞きたくなって』
「…」
付き合ってる頃は、こんな言葉がどれだけ嬉しかったか。
『…雪、今から会えないか?』
「…ごめんなさい。今友人と一緒で」
…本当は一人で家にいるのに、咄嗟に出た嘘。なんでこんな事を言ってしまったのか、雪にもわからなかった。
『今度、また会いたいんだけど、いつなら会える?』
「…今度の金曜なら、仕事も早く終わると思います」
『そう、わかった。じゃあ、金曜の夜空けといて』
「…はい」
雪の返事を聞くと、義人は電話を切る…
『…雪、愛してるよ』
その言葉に応える事ができず、曖昧に返事をして携帯をきった。
琉偉が黒だとわかった今、どうすればいい?離れるなら、会社を辞めなければならない。
…でも、そう簡単に会社を辞めるわけにはいかない。一社会人として、そんな薄情な事は出来ない。
第一、雪は今の仕事が好きだし、辞めたいと思った事もない。
「…どうしよう」
一人つぶやいてみても、答えが出るはずもない。
そんな時、携帯が鳴る。着信相手は、義人だった。
「…どうしたんですか?」
『うん、雪の声が聞きたくなって』
「…」
付き合ってる頃は、こんな言葉がどれだけ嬉しかったか。
『…雪、今から会えないか?』
「…ごめんなさい。今友人と一緒で」
…本当は一人で家にいるのに、咄嗟に出た嘘。なんでこんな事を言ってしまったのか、雪にもわからなかった。
『今度、また会いたいんだけど、いつなら会える?』
「…今度の金曜なら、仕事も早く終わると思います」
『そう、わかった。じゃあ、金曜の夜空けといて』
「…はい」
雪の返事を聞くと、義人は電話を切る…
『…雪、愛してるよ』
その言葉に応える事ができず、曖昧に返事をして携帯をきった。