彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜

1日の業務をこなした琉偉と雪は、社に戻り、帰り支度をしていた。その後、琉偉は雪を連れ、レストランに向かうはずだった。

しかし、どうしても今日中にしなければならい案件が一件入り、雪はそれを終わらせたらレストランに向かうからと、琉偉を先に行かせた。

そして、急いで仕事を終わらせた雪は、レストランに向かう。琉偉の計らいで琉偉の社用車で、レストランに向かう。

だが、レストラン近くの車道で雪は車を降りた。そこから歩いてレストランに歩いていると、レストラン脇の駐車場でスーツ姿の男が2人、なにやら言い争っている。

雪は、巻き込まれては困るので早足で通り過ぎようとした。が。

ドサッという音で、雪は再びそちらに視線を向けた。すると、1人が地面に座り込んでいる。

薄っすらと街灯に照らされたその顔を見て、雪は思わずそこへ駆け寄った。

「鮫島さん‼︎」

地面に座り込んでいるのは、義人だった。義人は、唇の端を切り、血を流していた。雪は支えるように義人を抱く。

立ったままの相手を見上げると、怒りに満ちた顔の琉偉だった。