琉偉が連絡してくれてるならと、言われるままに目を閉じた雪は、あれだけぐっすり寝たはずなのに、琉偉が隣にいることに安心して、また、深い眠りに落ちた。

…眠ったことを確認した琉偉は、ぐっすり眠る雪の頭を優しく撫で続けた。

…次に目を覚ましたのは数時間後。

ゆっくりと目を開けた雪は、宣言通り、ずっと傍に居てくれた琉偉に安堵し、琉偉に抱きつく。

「…ん、…ぁ、雪、起きた?」

優しい笑顔で言われ、雪ははにかみ頷いた。

…目の下のクマは、幾分ましになったことに、琉偉は少しホッとする。

「明日は、ちゃんと仕事に出ます。心配かけて、すみませんでした」

雪の言葉に、琉偉は首を降る。

「雪の体調不良を教えてくれたのは、零士だから。礼は、零士に言って」

「…はい」

「…零士と」

「…え?」

「俺が出張の間に、仲良くなったんだな」

それに、雪は頷く。

「零士さん、最初は、とても冷たくて、どうしたものかと思っていたんですが、体調を崩してから、ずっと心配してくれて。」

「…そう。仲良くなれて良かったな」

言葉とは裏腹に、顔は浮かない。

雪はなんでかわからない。

モヤモヤしたまま、次の日、二人は、出社した。