琉偉は、雪の頬を両手で包み込んだ。

「…白井さん、君の気持ちを教えてくれないか?」
「…ぐすっ…わた、しは、」

「…うん」
「…わた、しも、黒澤社長が、ずっと、変わらず好きです」

初めて、雪の口から聞いた、気持ち。

琉偉は、胸が一杯に成る程嬉しかった。

嬉しくて、嬉しくて、雪を思いっきり抱き締めた。

雪も琉偉を抱き締め返した。

…二人はずっと想い合っていた。

いつもどんなときも、お互いの事を。

お互いの幸せを。

…その夜、琉偉は、雪を離さなかった。

雪を自分のマンションに連れ帰り、ずっと愛を囁き続けた。

雪も、それに応え、雪もまた、溢れて止まらない想いを囁き続けた。

…べッドの中で、抱き合ったまま、朝を迎えた。

「…黒澤社長、私、やっぱり帰らないと」
「…帰さないと言っただろ?ご両親には、空港に向かう途中に連絡してある。仕事も心配いらない。今は何も考えず、俺の傍にいればいい」

そう言って抱き締められると、雪はもう観念したように、琉偉の胸に顔を埋めた。

そして、雪は願った。

ずっとこの幸せが続きますようにと。