「今日、寒いね」


「これは寒すぎるな」



昔から寒がりのけいくんには、今日の気温は寒すぎたみたいだった。


確かに、今日は晴れているにも関わらずいつもと比べられないくらい凄く寒い。


朝見た天気予報では、今月で1番冷え込むとか何とか。


歩く私達の吐く息は白くなっていて、隣を歩く彼の鼻の頭も赤くなっていた。


赤鼻のトナカイみたいで可愛い……何て言ったら怒るか。



「でも、私ホワイトクリスマスって夢だったんだ」



だから、この位の寒さなんてへっちゃらだった。


だって、折角のクリスマスの日だったから。


カイロは制服の両ポケットに1個ずつと、スカートのポケットに1個。


そしてお腹に1つ、貼るカイロも含めて全部で4個のカイロ。


もし体育があったら暑かっただろうけど、今日は12月25日でありクリスマス当日。


学校も終業式があるだけだから、平気なはず……。



「あー、確かに。あんまホワイトクリスマスってないもんなぁ」



「毎年あったら特別な感じしないからたまにでいいの!」



「それもそっか」



隣で笑うけいくんを見ると、胸がドキドキする。


これが恋だって気付いたのは、いつ頃だっただろうか……。