「………」
蓮斗はしばらく黙りこんだ。
それは兄として、妹を守ろうとする姿。
「あ、あと1つ。
深雪ちゃん、もう高校2年生だよ。
十分自分で考えられる年だよ」
「……そうだな。
過保護だったかも。
今まで一方的だったけど、やっぱりちゃんと話すわ」
そう言って、彼は保健室へと急いだ。
「………あ、」
ドアの前でUターンした蓮斗は、ニカッと笑い、
「…ありがとな」
そう言って、少し長めのキスをした。
「……ッ…」
鼓動が増す。
息が苦しくなった時、蓮斗は口を離し、またふわりと笑い、
「いってきます」
と言った。
