「はい、お弁当」
「おぉ…!何か新婚の新妻の愛妻弁当みてぇ」
「変なこと言うな」
ぱかっと、何の躊躇もなく蓮斗はお弁当箱を開ける。
「んまそー…!」
蓮斗はいただきますを律儀にしてから箸をとった。
それから、まず煮物に手をつける。
「ん〜、お袋の味〜。食ったことねぇけどー」
次に口に放ったのは、玉子焼き。
「やべ、ふわふわしてる。これホントに栞奈が作ったのか?」
「あ、当たり前だし!5時起きだし!」
何だかんだ言いながら、彼は完食してくれた。
私も、少し遅れて食べ終えた。
「お返し」
そう言って、不意打ちで、
甘い、甘いキスをくれた。
すぐに彼の唇は離れていったけれど、キスの余韻が確かにあった。
柔らかい、唇の感触が。
ぺろっと自らの唇を舐める彼はまた新鮮で。
やっぱり世界一かっこいいんだ。
