「行け」
そう言われ、不良さんたちは去っていく。
「…蓮斗、来てくれてありがとう」
素直に、お礼を言う。
刹那、彼は私を抱きしめる腕に力を込めた。
「……っはぁー…。まじで心配した…」
肩で息をしているところを見ると、走ってきたんだなってわかる。
本当に、幸せを感じる。
「蓮斗…」
ピイイィィーーーーッ
だいすき。そう言おうとしたが、笛の音に遮られた。
「おふたりさん、私を忘れていちゃいちゃしないでくださーい」
あ、忘れてた…。
この場には私と蓮斗、そして深雪ちゃんがいたんだ。
「蓮斗くんにはまだキスは早いでーす。
あ、もうした?」
した?じゃないっ!
「「まだだよッ!」」
ハモった。
「仲がよろしいですことー」
結局、ちゅーはできずに倉庫を後にした。
