すると、少年は口角を上げ、あっさりとそれを渡してくれた。
「…あ、ありがとうございます!」
「ん。あとこれもやる」
ぽんと放られたのは小さなお菓子の詰め合わせ。
可愛らしくラッピングされている。
「ふふ、ありがとうございます。……あ、どうやって返したらいいですかね?」
「…今度、会ったときにでも」
そう言って、ふわっと、笑った。
さっきまでの意地悪な笑みとは一変、優しい笑顔だった。
「…俺は蓮斗。高校1年だ。絶対返せよな」
「はい」
これは自己紹介するべきかな。
「高梨栞奈です。中3です」
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