ぎゅうっと抱きしめられ、少し苦しい。 だけど温かい。 頭を柔らかくなでられて、なんだか童心に返ったようだった。 「じゃ、…じゃあこっちから質問してもいい?」 「うん、いいよ〜」 そう応えながら深雪先輩はイヤホンをはずす。 「何聴いてたの?」 「んー?思い出の歌」 「…思い出?」 「…そ」 思い出の歌…?何だろう。 「…またここに来てくれる?いつでもいるから」 あれ?授業は出ないのかな…? 蓮斗…と同じだったりしないよね? 不良じゃないのに不良だって言われてる、みたいな。