「んあ?ぁ、さっきの」
私の声に反応してか、少年が振り向いた。
キャンディーを早速くわえている。
「何か用?あ、まさかあの漫画、あんたも買いたかったとか?」
「そ、そうですけど…」
「ちょい待ち。今終わらせるから」
クレーンゲームを器用に操作し、最後の景品を袋に詰めて、彼は立ち上がった。
「えっと?漫画だよな。見たい?」
まぁ、みたいから来たわけだけど。
「…次来たときにでも買おっかなーと…」
「…そ。見たいなら見せてやろうとか思ったけど」
う。
見たい。
続きが気になって発売日を今か今かと待っていたんだ。
「………見たい、です」
