それから教室に戻った私は、謝ってくるクラスメイトには申し訳ないのだが、疲れて机に突っ伏してしまった。
しかし、このあとも授業がある。
「大胆なことしたねぇ、カンナ」
「…それ、蓮斗にも言われた…。
て言うか葉月どうしよう、凄く眠りたい」
「…保健室、行ってくれば?先生には言っておくよ?」
「あ、ありがとう」
私は今にも閉じそうなまぶたを強引に開き、保健室まで歩いた。
夜もあまり眠れていなかったのだから当たり前だろうが、さっきまではあんなに元気よく話していたのに。
「…失礼しま……」
ドアを開いたそこにいたのは、美人さんだった。
制服は一応着ているが、その上からパーカーを重ねている。
長いストレートの髪はさらさらだ。
スリッパの色からして、2年生。
彼女は、イヤホンを装着し、何か聴いているご様子。
「……あの…」
ようやくこちらに気づいたのか、振り向いてくれた。
「何か?」