「…蓮斗くん!」
屋上の扉を開けると、切なげな蓮斗くんの背中がある。
「…蓮斗くん、あのね、皆わかってくれたよ!!蓮斗くんがホントは優しいんだってわかってくれた!」
私が息を切らしながらそういうと、ふわりと笑う蓮斗くんが下の方を指差した。
そこへ目を向けると、
【WE LOVE US!!】
と訳のわからないことの書かれた紙が広げられ、そこには全校生徒がこちらを見上げていた。
「…あれな、去年の文化祭で作ってたんだよ。けど、あれ、完成できないままだったんだ。
俺、あれが見たくてずっと屋上にいたんだけどな…」
悲しげに笑う蓮斗くんだったが、そこには嬉しさもにじみ出ていた。
