今この場に蓮斗くんはいない。 きっと学習室にいるだろう。 「…起立。これで全校集会を終わります」 号令がかかり、私は蓮斗くんのいるであろう学習室へと駆け出した。 「…高梨さん!蓮斗、多分屋上だよ」 誰だか知らないが、先輩が声をかけてくれた。 「…!ありがとうございます!」 私は屋上へと走った。 別に走る必要性はなかったが、早くこのことを伝えたかったのだ。