不良と呼ばれた君に、私は恋した




「………ッ!


蓮斗くんはッ、なりたくて不良になったんじゃないッ!



蓮斗くんは確かにケンカっぱやくて、すぐ口論になったりする。



だけど自分からケンカしたことはない!



真面目すぎるくらい真面目で、授業に出てない今でも参考書で勉強してるくらい努力家なのっ!



ただ、ケンカを吹っ掛けられたからやっただけ。


それに勝った、ただそれだけ。



それだけで、不良だって言われて、

それだけで、避けられて、

それだけで、ひとりぼっちになっちゃった。



皆が避けるから、どこにも居場所がなくて、教室にいれなくなって、学習室に居すわった。


ただそれだけじゃないッ!



皆ひどいよ?


よってたかって蓮斗くんをひとりぼっちにするの?



蓮斗くんはホントに優しいの。


皆の思うようなひとじゃないのッ!」






言いたいことを全て言い終わり、私は礼をしてステージを下りた。



喋る者はいなくなり、雨が屋根を叩く音だけが響く。