「…皆さん、私は1年B組の高梨栞奈です。
突然ですけど、今から蓮斗くん…山岡蓮斗くんについて話させてもらいます。
蓮斗くんは今、色々悪く言われてますけど、全部全部誤解です。
私は入学前、蓮斗くんに買えなかった本を貸してもらいました。
その時ゲームで遊んでた蓮斗くんは寂しげでした。
でも、笑顔は柔らかかった。
それから、蓮斗くんには入学後も凄くお世話になりました。
勉強を教えてもらったり、
おにぎりをわけてもらったり、
蓮斗くんはホントに優しいんです。
私の友だちが、不良に絡まれてる時、助けてくれたのは蓮斗くんだそうです。
それからそれから、っ」
「…でも、不良なんだよね?」
冷たい声が響く。
「…それっていつケンカするかわかんないじゃん?」
「怖くね?」
