彼氏ができた。
連絡先を交換しあったところで予鈴がなり、私は幸せな気分で教室に戻った。
「…カンナちゃん、」
「…葉月ちゃん?」
「ごめんねっ!!」
がばっと頭を下げられ、困惑する。
「え?な、…どうしたの?」
「…蓮斗先輩のこと、何も知らないのに不良呼ばわりして…。
今朝はづね、蓮斗先輩に不良に絡まれてるとこを助けてもらったの…。
ホントにごめん…」
私は思わず笑ってしまった。
やっぱり優しいな…。
「…ふふ。誤解が解けたのなら蓮斗くんも喜ぶんじゃないかな」
「…うん。ありがとう。よかったらはづのこと呼び捨てでいいよ?」
「うん。ありがと。じゃあ葉月、私のことも呼び捨てでいいよ?」
それを聞くと、ビシッと敬礼をした葉月がとびきりの笑顔で言った。
「了解でーすっ!ていうか、カンナ何かにやけてない?」