「…ふふ。じゃあ美紗ちゃんのコロッケいただきますっ」
私も早速、それに乗っかった。
「あー、美紗のコロッケおいしそ!」
「ん、おいしいよー♪」
なかなか楽しいグループだな。
まだクラスメイトとはあまり関わりがなかったから嬉しいかも。
「そういえばカンナちゃん、いつも昼休みどこに行ってるの?」
「あぁ、学習室だよ」
「えー、そんなトコに行ってたの?真面目だね〜」
「ううん、学習室だけど勉強してたわけじゃないの。蓮斗くんって知ってる?」
…………
一瞬の静寂。
「……え?何、どうかした?」
「…え、だって、あの蓮斗でしょ?不良の」
「…うん」
あぁ。
蓮斗くんは不良だから、怖がられてるんだ。
「…でも蓮斗くん、優しいよ?…ていうか、皆何で蓮斗くんのこと知ってるの?」
「そりゃ、……有名だし?ねぇ…」
「…うん。中学ん時から知ってた」
「まぁ、悪い人じゃなくても、不良だってことには間違いないんでしょ?」
不良ってだけでそんなに怖がられるんだ…。
「……そ、っか」
「それより!部活、何に入るか決めた?」
「中学の時何部だったの?」
また、他愛ない話がはじまったが、頭の中は蓮斗くんのことで埋め尽くされていた。
