ようやく彼は私を認識してくれた。
「お、栞奈さん。不審者か先生かと思った〜。普段はコンタクトなんだけどね」
先生が不審者とひとくくりにされちゃったよ。
「漫画ありがとうございました。とっても面白かったです」
「そ。それはよかった。そういう系好きならこれ、読んだことある?」
そう言いながらあの謎の本棚から漫画を取り出す。
「…え?読んだことないです…」
表紙の絵的に面白そう…。
こういうのあるんだ。
「そうなんだ。読む?」
「いいんですか?」
な、何か蓮斗くん、いい人、なのかな?
「ん。それな、主人公めっちゃショボいんだよ!俺的には敵キャラが好きだな〜」
「そうなんですね!おもしろそ…」
「敬語、堅苦しいからいい。別に先輩ヅラする気ないし」
「……わ、かった。
じゃあ蓮斗くん、ありがとう」
