不良と呼ばれた君に、私は恋した




そこはきれいに整理されていた。



机や椅子は隅の方に寄せられ、ソファーとテーブルがどん、と置かれている。



そして何故か本棚もあり、ずらりと本が並べてある。



窓枠にはほこりひとつない。



瞬間、私は掃除がいきとどいていないなんて思ったことを深く反省した。




──ゴトッ



何かソファーの裏で音が聞こえた。



必然的に私はそこを覗く。



「……何やってるんですか」



蓮斗くんが、そこにいた。



見るからに寝起きの顔だ。


ここで寝てたんだ…。



「………あんた誰」





…………ガーーーーーーーーーーン。



え、ひどくないですか?


今すごく傷つきました…。



二の句が告げずに私はリュックから漫画を取りだし、差し出した。





「…誰だか知んねぇけど、まずそこにあるメガネ取ってくんね?」



その瞬間、私は自分の勘違いに気がついた。



なんだ、目が見えなかったから誰かわかんなかったのね。



メガネを漫画と一緒に差し出す。