入学式。 「新入生、入場」 その言葉を合図に、列が動く。 私は1年B組だった。 すぐに体育館入り口が見える。 そして。 体育館に入り、私は開いた口を閉じることが出来なかった。 ムスッとした顔で在校生列の最終尾にいたのは、本を貸してくれた少年、 ─蓮斗だった。 蓮斗はこちらを見ようともせず、ずっと顔をしかめて明後日の方向を向いている。 ツンツンキャラかな…? お菓子、いっぱいゲットしてたのに。 お菓子に囲まれた蓮斗くん可愛かったのに。