頭がこくりと揺れて、目を覚ました。ブランケットがかけらていて、私はソファで眠っていたみたいだ。

隣にいたはずの先生の姿が見当たらない。

どこに行ったんだろう。キッチンにもいないし。扉を開けて、廊下に出る。そっと爪先立って歩いた。シンとしている。どこかに出かけたのかな。

「先生?」

ノックをして、ドアノブをそっと回す。先生の寝室か。ダブルサイズくらいのベッドが置いてあるからそう思った。

うわ。これはちょっと、と躊躇ってしまう。

「何してんだよ?」

その声で肩が持ち上がるほど驚いた。

「す、すみません!」

振り返ると、腕ぐみをする先生がいた。

「寝たりなくて、今度はベッドで眠る気か?」

「ち……違います。先生がいらっしゃらなかったから、探してたんです」

あわよくば何か面白いものを見つけようなんて言う下心も否定はできないけど。気付かれていなかっただろうかと、ドキドキしながら言った。

先生は気にする様子もなく、「そうか」とそっけなく言うと、私に少し近づいてかがんだ。

「気持ちよかった?」

「えっ?」

「口開けて寝てるから。よだれ、こぼれそうだったよ」

「……寝顔、見ないでください」

「あの俳優も、そんなに好きでもないわけだ」

「ド……ドラマは全部見ましたよ」

「そんなに無防備だと、とって食われるよ」

「だ……誰にですか」

先生のからかいに顔が熱くなる。