「結城さん、隣歩けよ。いるかいねえかわかんねえ。」


急に歩く速度を落として隣に並び、笑いながらそんなことを言われるとは。
納得した顔で頷けば先輩は満足顔だ。


「挨拶、良かったぞ。」


「ありがとうございます。先輩の挨拶も素晴らしかったです。」


「そうか、ありがとな。」


一旦会話が途絶えた。その隙を見計らったかのように後ろから人が走ってきて先輩の頭にチョップ。
身長190cm近い先輩の旋毛にクリーンヒットだ。


「諒太!お前新入生ゲットか!?その赤い上履きは────」 


「痛えぞアホ!」


言葉途中で黙った男子生徒、振り向いた先輩に強めのチョップを返されたとこりや言葉遣いからするにどうやら先輩の同級生のようだ。先輩の旋毛にチョップできるだけあって背が高い、175は越えてそうだ。さらりとした黒髪が印象的な、爽やかで加賀宮先輩が俳優だとするならアイドル系の整った顔立ちの人。イケメンの友達はイケメンだ。


「倍返しだよな今の!?ってんなことじゃねえ!おま、この子あれだろ!新入生代表挨拶してた美人!」


「うるせえ。結城さん、これは三年の篠宮 真(シノミヤ マコト)。バスケ部だからよろしくしてやってくれ。」


「ちっす!ごしょーかいに預かりました篠宮真っす!えっと、ゆーきしぐれさんっすよね?」


「はい1年生の結城時雨です。よろしくお願いします、篠宮先輩。」